遭遇した場所:人魚の入り江
一緒にいた人:ピチカ
最近人魚に会わないなどと話していたら、人魚に出会った。
七族の長である役目を終え、海流に乗って旅をしてきたという人魚。
多く子を生し、子らに色んなものを託して旅をして、最期に人間を見て余は満足だということだった。
その長い旅路の中で見た、「世界の果て」と「美しい場所」の話をしてくれた。
南と北の極の中心に、「むかし獣」たちの住まう楽園。水晶の塔があり、その世界を照らしていたという。
人間、人魚といったたぐいの生き物の存在はなく、彼女にとっても居場所はなかったと話していた。
語り終えた人魚は、その極彩色の鱗のきらめきの様に、海の泡となって消えた。
それが人魚の最期。これほどに美しい最期は無いと思った。
記念にともらった鱗は、大切にしておこう。
BGMはBrahmanの「Z」
----Those long thoughts after the end.
すべては全くの後でいい。