遭遇した場所:都の大図書館
書物の写しの息抜きに開いた本についてたインクが、文字を食う芋虫で、
本を何冊か食わせてたら、大変不可思議で美しい蝶になった。
冊子についていたシミに光を当てたら、シミが芋虫みたいに動き出し、
天体の本、たぶん雪国の本を食っちまったので、自分の古代文字の辞書を食わせる。
捕まえようと思ったが、食った分だけ大きくなって、袋も破られてしまったので捕まえられず。
果てには満腹になって蝶になり、外へと飛んでいった。
食ってる間も食った本によって何やら色が変わっていたけれど、
蝶になったら羽が、文字や景色や俺自身やらを映し変化していた。
噛まれた後は、文字が重なって血ではなくてインクがにじんでいた。
爪先についた鱗粉は、細かい文字。
これこそ、”本の虫”ということなのかな。
あと食われた本のことでド叱られた。
やむなし。