人魚の肉から得られる不死とは、
一説なのかもしれないが、「人魚の呪い」でもあるという。
己を喰らうた者への、死ねぬという苦しみの呪いというのは、
欲するものにとっては、どう映るのだろうと思う。呪いではなく、祝福と感じるのだろうか。
人魚の歌には、解呪の力がある。
力ある歌を歌える人魚は決して多くは無いだろう。
呪いを解くという力は、同胞が与えた呪い・・不死の呪いをも解く。
人魚の肝には、毒がある。
たとえ不死たりえたとしても、抗いきれぬほどの毒。
己の肉で作られた不死は、肝によって滅される。
人魚という生き物は、儚くも美しくみえる生き物だと思うが、それだけではない。